いつかそう思う時が来る

はじまりの、始まりの話

今日という1日を永遠にしたかった日の話-演劇の毛利さん vol.0 リーディングシアター『星の王子さま』(1/16)

私は、サンシャイン劇場の座席に座って
大好きな人が2人並んで座っている舞台上を眺めながら、
「この1時間を永遠に留めておけたら良いのにな」
と思っていた。

**

2021年1月16日

武道館の余韻がまだ残る中、
私は目覚めてもう一度今日の予定を確認していた。

その日は舞台を3作品観劇する日だった。
マチソワ観劇はよくあることだが、1日3作観ることは滅多にない。
珍しい日だ。

だけど、
その日は私にとってはそれ以上に「滅多にない」日だった。

この日観劇するのは「演劇の毛利さん」の作品だった。
1つはもう何度か観ている音楽劇「星の飛行士」で、
あとの2つは音楽劇の原作になっているサン=テグジュペリ作品2つの朗読劇。

そのうちの1つが、私の推し(俳優)と7ORDERの安井謙太郎くんの二人芝居の回だった。


事の成り行き(?)はこの記事を参照してほしいのだけど、
trace-memory.hatenablog.com

今回の朗読劇は全て二人芝居で毎回キャストの組み合わせが異なっていて、
本編(音楽劇)に出演している方も含め結構色々な方々が出演される作品だった。
安井くんも推しも2回ずつ出演があって、そのうちの1回が二人の共演回だった。

つまりは私にとって、好きな人と好きな人の共演回ということになる。
実際私は推しと共演しているのを見たのが切っ掛けで安井くんを知って好きになったので、
共演自体は「もしかしたらまたあるかも」と思っていたし、
それだけなら嬉しいけど驚くほどのことではなかったと思う。

でも、この公演は二人芝居の朗読劇だった。
公演中に舞台上にいるのはずっと自分が好きな人2人だけ。
普段別のフィールドで活動している好きな演者が一緒に2人だけで芝居をするということだ。
……そんなことある?という感じである。
そんなわけなので、この日は私にとって「滅多にない」日だった。

チケットを発券しても当日になっても「本当に…あるのか?」と思ってしまって(疑うな)
2つ並んで印刷された名前を何度も眺めていた。

まず昼に音楽劇を観て、
(こちらの作品もサン=テグジュペリが自分の作品2つを通して人生を振り返る…という構成がすごく面白くて、自分が何を考えて生きるか、みたいな部分が強く描かれていて色んなことを感じられるし、キャストさんも演技が出来て歌える方ばかりで面白かったのでご興味があれば配信などで是非…私は劇中歌をつい口ずさんでしまう)
友達に見守られながら折角の機会だしな、
と持ってきた2人のアクスタと看板を写真に収めるなどして次の公演を待った。

開場時間を過ぎ、沢山の人が並ぶ入場口を眺め
また「本当にあるんだな…」とか考えながら(いやあるって)自分も列に並んだ。
座席につくといよいよなんだな…という気持ちになった。
発表から1ヶ月強ずっとしてきたドキドキが最高潮になった気がした。
今回、「前で観たいどうしても前で観たい」と呪いのように念じ続けた結果(?)結構な前方席を自引き出来たので本当に嬉しかった。自分の運の良さに感謝しかない。

暗転して音楽劇でもよく聞いていた音楽が流れ出した。開演である。
程なくして、2人が舞台上に登場し、挨拶をした。

私はこの瞬間を多分一生忘れないように思った。
現実なんだ、と思った。

役柄は推しが飛行士で、安井くんが王子さま。
そうだろうとは思っていたが、実際に見るとしっくりくる配役だと思った。
推しは音楽劇でも飛行士の役だが、また違った衣装だった。
安井くんの頭の上には小さな王冠。王子さまだ。かわいい。

内容に関しては、とても哲学的な話だし端的にどうこう言うのは非常に難しいのであまり触れないでおくが、
飛行士の語りで王子さまと誰かの話、という形で物語が進むので、必然的に推しは一人多役だった。
女性の薔薇になったり、酔っぱらいになったり、おじいちゃんになったり、キツネの男の子になったり、かと思ったら突然地の文の語りに戻ったりと、
色んな声色を使い分けていたから役毎の変化が分かりやすくて、物語に入っていきやすかった。さすが役者だなぁとシンプルにすごいな、と思った。

安井くんは終始王子さまだった。
様々な登場人物と会話をするシーンが出てくるが、誰と話すシーンでも基本的には調子を変えずに話す演技に、王子さまの無邪気な子供である感じがよく出ているなぁと思った。あくまで同じ調子であっても、すごく嬉しい時とかちょっとムッとしている時とかの機微な感情の動きは表情とか、読み方ですごくよく伝わってきてそれも良いなぁと思った。そんなのきのこだ!きのこ!!があまりに可愛くて思わず微笑んでしまったりした。

物語が終盤に差し掛かり、王子さまが蛇に噛まれるシーンになると、
強く感情が乗ってきて、気迫のこもった推しの演技に悲しい、切ないという気持ちがすごく伝わってきてまた泣いてしまった。
それと比して安井くんはあくまでも淡々と飛行士に語りかける。それが無邪気で優しくてそこでまた泣いてしまった。
2人も泣いてたなあ。
この飛行士の激情と、王子さまの淡々として無邪気な感じの対比が「大人と子供」という感じで、物語のテーマに即していてすごく良いな、と思った。

そして、記事の冒頭へ。
私は2人が並んだ舞台を永遠に眺めていたかった。
でも、1時間というのはあっという間である。物語は終幕を迎えて、2人はまた挨拶をして去っていく。
客席の明かりが付いていつもの時間が戻ってくると、私は「夢でも見てたか?」と思ってしまった。(終わっても疑うスタイル)

劇場を出ると、別の席で観ていた私の友達と母が待ってくれていた。
2人の所にたどり着くと、私は第一声「現実…?」と聞いていた。
「現実だよ!!!」と言われて、そっか現実なのか…と思った。
(この時どうやら2人によって私の生存確認が行われていたらしく、「生きてる?」と聞かれて笑ってしまった。生きてます。)

このあと2人と別れて「夜間飛行」も観劇して帰った。
こちらは先程までとはまた違った大人な雰囲気の安井くんを見られて嬉しかった。
(久保田さんが7ORDERをドラゴンボールかなんかだと思ってるの、めちゃくちゃ面白い)

観劇を終えて帰ると、
公式からツーショットが上がった。最高。
今日本当に観たんだなぁ…と噛みしめるように写真を眺めていた。
私は、出来れば推しもツイッターに差分のツーショを上げてくれないかなぁと思っていた。(前の回で上げてくれたので)
そしたら夜の更新で本当に上げてくれたので嬉しすぎて即保存した。
あと、「謙太郎くん」って呼んでることを知り、脳が処理しきれず一回スマホを投げてしまったりもした。(落ち着いてほしい)
実はこの日の音楽劇は最前列で、それもとても嬉しかったのだが、星の王子さまによって若干記憶が薄れかけていたので噛み締め直した(?)

この2人が二人芝居することにこんなに心乱されて喜んでいるのはもしかして(恐らく、もしかしなくても)私だけかもしれないし、
他のファンの人からしたらなんてことない共演、好きなキャストの出ている一公演でしかないんだと思う。
でも私にとっては一生忘れられない思い出の公演になったし、事あるごとに思い出すのだろうなと思う。
だってこんな機会、もしかしたらこの先一生ないかもしれない。
(まるで王子さまの薔薇の話みたいだ。)

次の日、配信を買ってまた見た。
やっぱり現実だったし、あと100万回見たいな……と思ってしまった(?)
すごく貴重な体験だったな。
欲を言うなら二人芝居でなくてもやっぱりまた共演はしてほしいので、取り敢えずアンケートを書く。
毛利さん、お願いします。


追記
サンシャイン劇場というのは実は私が推しを初めて観た劇場であり、その後安井くんを初めて観た劇場でもあるので、私にとってかなり思い出深い劇場なんだけど、今回の公演もまさかのサンシャイン劇場だったのでもはやパワースポット。


さらに追記 (2/2)
昨日、星の飛行士の円盤の早期予約特典にリーディングシアター全部収録されることが発表されましたね!!!本当に100万回見られちゃうね(?)
気になる方は是非ご予約を(回し者ではありません)



何かありましたら↓
meのお題箱